イヤホン・ヘッドホン

voxヘッドホンアンプの音が出ない?原因と正しい使い方を解説

kuma

手軽に本格的なギターサウンドが楽しめると人気の「VOXヘッドホンアンプ(amPlug)」。自宅での練習に最適ですが、いざ使おうとした時に「音が出ない」と困った経験はありませんか。

voxヘッドホンアンプの音が出ない問題や正しい使い方について、電源が入らない、あるいは電源は入るが音が出ないといった症状、イヤホンから音が聞こえない、気になるノイズの発生など、様々なトラブルの原因と解決策を探している方は多いでしょう。

また、ランプの赤色やその点滅が何を示しているのか、そもそもアンプが無いとどうなるのかといった基本的な疑問から、正しいつなぎ方はもちろん、ヘッドホンなしで利用できるのか、さらにはスピーカーを鳴らすことはできますか?といった応用的な使い方まで、この記事で網羅的に解説します。あなたのamPlugが再び素晴らしいサウンドを奏でるよう、一つひとつ確認していきましょう。


この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。

  • 音が出ない時に確認すべき基本的なチェック項目
  • 症状別の具体的なトラブルシューティング方法
  • amPlugのランプの意味や応用的な使い方
  • 製品のポテンシャルを引き出す正しい利用法

voxヘッドホンアンプの音が出ない?まず確認する使い方

音響機器同好会イメージ

amPlugから音が出ない場合、故障と判断する前に確認すべき基本的なポイントがいくつかあります。ここでは、製品の役割から接続方法、音が出ない際の一次切り分けまで、基本的な使い方とチェック項目を解説します。

  • そもそもアンプが無いとどうなる?
  • 正しいつなぎ方は?ギターへの接続
  • 電源が入らない時のチェックリスト
  • 電源は入るが音が出ない場合の対処法
  • イヤホンから音が聞こえない原因は?
  • 「ジー」というノイズの対処法は?

そもそもアンプが無いとどうなる?

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エレキギターやベースは、それ単体では非常に小さな音しか出ません。これは、弦の振動を電気信号に変える「ピックアップ」という部品から出力される信号が、とても微弱なためです。

この微弱な信号を、ヘッドホンやスピーカーで聞こえるレベルまで大きく増幅(アンプリファイ)するのがアンプの役割です。もしアンプが無いとどうなるかというと、信号が弱すぎてヘッドホンに接続しても音がほとんど聞こえず、仮に聞こえたとしても蚊の鳴くようなか細い音になってしまいます。

VOXのヘッドホンアンプは、この増幅の役割をコンパクトなボディで実現し、いつでもどこでも迫力のあるサウンドで練習できるようにしてくれる便利な機材なのです。そのため、amPlugを使用することは、快適な練習環境の第一歩と言えます。

正しいつなぎ方は?ギターへの接続

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amPlugの正しいつなぎ方は非常にシンプルですが、いくつか注意点があります。まず、amPlug本体から伸びているプラグを、ギターやベース本体のジャック(シールドケーブルを挿す穴)に直接、まっすぐ奥までしっかりと差し込みます。

このとき、amPlugのプラグ部分は最大180度まで回転する仕組みになっています。ストラトキャスターのような舟形ジャックを持つギターの場合、角度を調整しないとボディに干渉してしまい、うまく差し込めないことがあります。演奏の邪魔にならず、かつ安定する角度に調整してから接続しましょう。

次に、お使いのヘッドホンやイヤホンのプラグを、amPlug本体の「PHONES」と書かれた端子に接続します。こちらも、カチッと音がするまで奥まで確実に差し込むことが大切です。以上の2ステップで物理的な接続は完了します。非常に簡単ですが、確実な接続が音を出すための基本となります。

電源が入らない時のチェックリスト

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amPlugの電源ボタンを長押ししてもランプが点灯せず、電源が入らない場合、まず疑うべきは電池です。以下の項目をチェックしてみてください。

電池の向きと種類

amPlugは単4電池2本で動作します。電池カバーを開け、プラス(+)とマイナス(-)の向きが正しくセットされているか確認しましょう。意外とこの向きを間違えているケースは多いです。また、長期間使っていなかった場合、電池が消耗している可能性が高いので、新品のアルカリ電池に交換してみてください。マンガン電池も使用できますが、アルカリ電池の方が長持ちします。

電池の接触

電池の接点部分が汚れていたり、錆びていたりすると接触不良を起こし、電源が入らない原因になります。接点が汚れている場合は、乾いた布などで優しく拭き取ってください。

自動電源オフ機能

amPlug2シリーズには、信号の入力が一定時間ないと自動的に電源がオフになる機能が搭載されています。もし、ギターを接続したまま放置して電源が切れていた場合は、再度電源ボタンを長押しすれば起動します。故障と勘違いしやすいポイントなので覚えておきましょう。

電源は入るが音が出ない場合の対処法

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電源ランプは点灯しているのに音が出ない、というケースは最も多いトラブルかもしれません。この場合、信号がどこかで途切れている可能性が高いです。以下のチェックリストを上から順に確認することで、原因を特定しやすくなります。

確認箇所チェック項目対処法
ギター/ベース本体ボリューム・トーンのつまみがゼロになっていないかつまみを適切な位置まで回す
ピックアップセレクターの位置は正しいか演奏したいピックアップの位置に合わせる
アクティブタイプの場合、内蔵電池は切れていないか新品の電池に交換する
amPlug本体GAIN(ゲイン)つまみがゼロになっていないか少し右に回して音量を上げる(歪み量も変化)
VOLUME(ボリューム)つまみがゼロになっていないか少しずつ右に回して音量を調整する
FX(エフェクト)ボタンが意図せず押されていないか一度オフにするか、設定を確認する
ヘッドホンプラグが「PHONES」端子に奥まで刺さっているか一度抜き、カチッと音がするまで確実に差し込む

特に見落としがちなのが、ギター本体のボリュームと、amPlugのGAINつまみです。GAINは音の歪み量を調整する役割ですが、モデルによってはゼロにすると音量が極端に小さくなる、あるいは全く出なくなることがあります。クリーンな音で練習したい場合でも、GAINは少し上げておき、VOLUMEで最終的な音量を調整するのが基本です。

イヤホンから音が聞こえない原因は?

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amPlugからイヤホンやヘッドホンを介して音が聞こえない場合、原因はいくつか考えられます。

一つ目は、物理的な接続の問題です。前述の通り、イヤホンのプラグがamPlugのPHONES端子にしっかりと奥まで差し込まれていない可能性があります。少しでも浮いていると、音が片方からしか聞こえなかったり、全く聞こえなかったりします。一度抜いてから、再度確実に接続してみてください。

二つ目は、イヤホンまたはヘッドホン自体の故障です。amPlugの問題と切り分けるため、そのイヤホンをスマートフォンや音楽プレーヤーに接続して、正常に音が聞こえるか確認しましょう。もし他の機器でも聞こえないのであれば、イヤホン側に問題があると考えられます。別のイヤホンで試してみるのが最も確実な方法です。

三つ目は、PHONES端子内部の汚れやホコリです。長期間使用していると、端子内部にホコリが溜まり接触不良を起こすことがあります。エアダスターなどで軽くホコリを吹き飛ばすことで改善する場合があります。

「ジー」というノイズの対処法は?

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演奏中に「ジー」や「サー」といったノイズが気になる場合、いくつかの原因が複合的に関係していることが多いです。

まず考えられるのは、GAINの上げすぎです。GAINは音を歪ませる、つまり信号を増幅させるつまみなので、上げれば上げるほどノイズも一緒に増幅されてしまいます。特にハイゲイン系のモデル(Metalなど)では顕著です。一度GAINを下げてみて、ノイズが減少するか確認しましょう。

次に、電池の消耗もノイズの原因になります。電圧が不安定になると動作が正常に行えず、ノイズが発生しやすくなるのです。電源が入る状態であっても、音が歪んだりノイズが目立ったりし始めたら、電池交換のサインかもしれません。

その他、ギター本体やシールドケーブルに起因するノイズも考えられます。アクティブベースの場合は内蔵電池の消耗、シールドの断線や接触不良などがノイズ源になり得ます。また、amPlugを使用している周囲に、蛍光灯やパソコン、Wi-Fiルーターなどの電化製品があると、それらが発する電磁波を拾ってノイズが発生することもあります。練習する場所を少し変えてみるだけで、ノイズが軽減されることもあるのです。


症状別|voxヘッドホンアンプの使い方とトラブル解決

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基本的なチェック項目を確認しても問題が解決しない場合、さらに踏み込んだトラブルシューティングが必要です。ここでは、ランプの表示が示す意味や、ヘッドホン以外の機器と接続する応用的な使い方について解説します。

  • ランプが点滅する理由とは?
  • ランプの赤色が示す意味について
  • ヘッドホンなしで音は出せるのか
  • スピーカーを鳴らすことはできますか?
  • voxヘッドホンアンプの音が出ない悩みを解決する使い方

ランプが点滅する理由とは?

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amPlugのランプが点滅する場合、それは故障ではなく、何らかの状態を示しているサインです。点滅のパターンにはいくつか意味があります。

一つは、リズム機能が搭載されているモデル(amPlug2 Bassなど)での動作です。リズム機能をオンにすると、設定したテンポに合わせてランプが点滅し、視覚的にリズムを確認できるようになっています。また、リズムパターンの先頭に戻る操作をした際に、一瞬だけオレンジ色に点滅するモデルもあります。

もう一つは、エフェクトの切り替え時です。amPlug2のギター用モデルには、コーラス、ディレイ、リバーブといったエフェクトが内蔵されています。電源ボタンと兼用になっている「FX」ボタンを押してエフェクトを切り替えるたびに、ランプが一瞬点滅してモードが変更されたことを知らせます。

このように、ランプの点滅は基本的に正常な動作を示しています。もし意図せず点滅している場合は、気づかないうちにリズム機能やエフェクトのボタンを押してしまっている可能性が高いです。ご自身のモデルの取扱説明書を確認し、ランプが示す意味を正確に理解しておくことが大切です。

ランプの赤色が示す意味について

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amPlug2のギター用モデルを使用している際に、ランプが赤色に光ることがあります。これも故障ではなく、内蔵されているエフェクトの強度(かかり具合)を示しています。

amPlug2のギター用モデルには3種類のエフェクトタイプがあり、それぞれに3段階のバリエーションが用意されています。「FX」ボタンを押しながら電源を入れることで、このバリエーションを切り替えることが可能です。そして、その強度レベルをランプの色で示しています。

ランプの色エフェクトの強度・モード
緑色弱 (モード1)
オレンジ色中 (モード2)
赤色強 (モード3)

例えば、「amPlug2 Lead」の場合、FXボタンを押すと「コーラス → ディレイ → リバーブ」の順にエフェクトが切り替わりますが、その際、ランプが緑、オレンジ、赤のいずれかに光り、現在選択されているエフェクトの強度がどのレベルにあるかを示しています。もしランプが赤色に光っているなら、最も強くエフェクトがかかる設定になっているということです。音作りをする上で重要な機能なので、覚えておくとより多彩なサウンドを楽しめます。

ヘッドホンなしで音は出せるのか

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この質問に対する直接的な答えは、「いいえ、amPlug単体ではヘッドホンなしで音を出すことはできません」となります。amPlugは、その名の通り「ヘッドホン・ギター・アンプ」であり、スピーカーを内蔵していないためです。

製品の設計思想として、ギターの信号をヘッドホンで聴くのに最適なレベルまで増幅することに特化しています。そのため、amPlugから音を出力するには、必ず「PHONES」端子にヘッドホンやイヤホン、あるいは次に解説する外部スピーカーなどを接続する必要があります。

ギターにamPlugを差し込んだだけで、アンプのスピーカーから音が出るような使い方を想定している場合は、その目的には合致しないため注意が必要です。あくまで、周囲に音を出さずに静かに練習するための機材と理解しておくのが良いでしょう。

スピーカーを鳴らすことはできますか?

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前述の通り、amPlug単体では音を出せませんが、外部のスピーカーに接続すれば音を出すことが可能です。これにより、ヘッドホンの煩わしさから解放され、よりオープンな環境で練習できます。

PCスピーカーやアクティブスピーカーに接続する

最も手軽な方法は、PC用のスピーカーや、電源を内蔵したアクティブスピーカーを利用することです。必要なのは、両端が3.5mmステレオミニプラグになっているオーディオケーブルです。このケーブルを使って、amPlugの「PHONES」端子と、スピーカーの入力端子(LINE INやAUX IN)を接続するだけです。amPlugのボリュームとスピーカーのボリュームを適切に調整すれば、小さなアンプのように音を出すことができます。

専用キャビネット「amPlug2 Cabinet」を利用する

VOXからは、amPlug専用のミニアンプスピーカー「amPlug2 Cabinet」も発売されています。amPlug本体を上部のジャックに接続すると、見た目もかわいいミニスタックアンプが完成します。2W出力のスピーカーを搭載しており、自宅で鳴らすには十分な音量が得られます。amPlugのサウンドを最大限に活かせるよう設計されているため、相性も抜群です。

これらの方法を使えば、ヘッドホンなしでの練習や、ちょっとした音出し確認が可能になります。ただし、大音量を出すための機材ではないため、音量を上げすぎると音が割れる点には注意してください。

voxヘッドホンアンプの音が出ない悩みを解決する使い方

この記事で解説してきた様々なチェックポイントを一つひとつ確認することで、voxヘッドホンアンプの音が出ないという悩みの多くは解決できるはずです。最後に、トラブル解決と快適な練習のための使い方をまとめます。

  • amPlugはギターの微弱な信号をヘッドホンで聞けるレベルに増幅する機材
  • 音が出ない場合、まずは電池の向きと残量を新品のアルカリ電池で確認する
  • ギター本体のボリュームとトーン、ピックアップセレクターの位置をチェック
  • amPlug本体のVOLUMEとGAINのつまみがゼロになっていないか確認する
  • GAINはゼロにすると音が出ないことがあるため少し上げておく
  • ヘッドホンやイヤホンのプラグはPHONES端子に奥までしっかり差し込む
  • 別のイヤホンや再生機器で接続機器側の故障がないか切り分けを行う
  • 「ジー」というノイズはゲインの上げすぎや電池消耗が主な原因
  • 周囲の電化製品がノイズ源になることもあるため練習場所を変えてみる
  • ランプの点滅はリズム機能やエフェクト切り替えの正常なサイン
  • ランプの赤色はエフェクトの強度が最大になっていることを示している
  • amPlug単体ではスピーカーを内蔵していないため音は出ない
  • ヘッドホンなしで使いたい場合は外部スピーカーへの接続が必要
  • PCスピーカーや専用のamPlug2 Cabinetを利用するとスピーカーから音が出せる
  • トラブルの多くは基本的な見落としなので落ち着いて一つずつ確認することが大切
わたしのこと
かいちょー
かいちょー
音響ブロガー
北海道生まれ北海道育ち。スピーカーやヘッドホン、イヤホンなどの音響機器の情報を、皆様にゆるーくお届けすべく、日々奮闘中です。
音楽以外の趣味は昼寝。Youtubeを眺めたまま時空を超えることも得意です。 ネットの片隅からほそぼそと発信中です!
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